船橋夜話
船橋街の歴史

「船橋」という地名はどこから来たのか 海老川と日本武尊の伝説

船を並べて橋の代わりにした――。「船橋」という地名には、海老川と日本武尊にまつわる言い伝えがあります。市の公式資料をもとに、地名の由来と川の今の姿をたどります。

船橋駅の南側を流れる海老川。この小さな川が、「船橋」という地名の始まりと深く関わっていると伝えられています。

船を並べて橋にした、という言い伝え

市の観光サイト「FUNABASHI Style」の外国語版では、地名の由来を次のように紹介しています。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が関東へ遠征したとき、海老川に船を並べて橋の代わりにした。この伝説から「船橋」と呼ばれるようになった、という説です。

別の外国語版ページでは、昔の海老川は今より川幅が広く、流れも強かったと説明されています。そのため橋を架けるのが難しく、小舟を一列に並べ、その上に通り道を渡して橋の代わりにしたそうです。「船(ふな)」と「橋(ばし)」が合わさって、地名になったというわけです。

川の両岸に開けた町

同じページによると、江戸時代には海老川の両岸で定期的に市が開かれていました。川をはさんだ集落はまとめて「船橋村」や「船橋宿」と呼ばれていたといいます。その後、明治22年(1889年)に船橋町が生まれ、昭和12年(1937年)に市制が施行されて船橋市となりました。

「海老川」の名の由来

川の名前にも言い伝えがあります。市の紹介では、船橋を訪れた源頼朝に、この川でとれた海老を献上したことが名の由来といわれています。

海老川は、御滝山金蔵寺の境内に湧く水を源流として、市の中心市街地を流れています。

13の橋と「地名発祥の地」

海老川には13の橋が架かっています。それぞれの欄干には、船橋らしさを表したレリーフが取り付けられています。

なかでも海老川橋には「船橋地名発祥の地」という銘が刻まれています。この橋は「長寿の橋」という別名でも呼ばれています。駅から歩いて行ける距離なので、散歩がてら探してみるのもよいでしょう。

日本武尊ゆかりの船橋大神宮

日本武尊の名は、船橋大神宮の由来にも登場します。正式名は意富比神社(おおひじんじゃ)です。日本武尊が関東に遠征した際に建てられたと伝えられ、1900年以上の歴史を持つといわれています。市内でも最大級の神社です。

また、市の地名紹介では、南部の「海神(かいじん)」という地名にも日本武尊の伝説が残ると紹介されています。この地を訪れた日本武尊が、海の上に光り輝く舟を見つけ、柱に神鏡がかかっていたという話です。市も「あくまでも伝説」と断ったうえで紹介しています。

伝説は史実とは限りません。それでも、川と舟と橋が地名に結びついているところに、水辺とともに歩んできた町の姿がうかがえます。

出典(2026年10月7日に確認)

文:編集部